饕餮庵  手打ち蕎麦、うどん
広島県呉市広本町3丁目22-29
tel:0823-74-2015
mail:toutetsu110@bird.ocn.ne.jp
∴営業時間、定休日


『そばに関するおもしろ話」


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十二月の話 『そば猪口』
 「そばちょく」と読む。一般には「そばちょこ」と言っているが、「ちょく」が正しいと物の本では記してある。もともとは「chyongku」という朝鮮語から来たとも記されている。元禄頃から作られ、伊万里、有田焼の物が多い。
 開店した頃、「そばちょく」と書いていたら、お客様から、あんた間違っとるでと指摘され、「ちょこ」と直しました。いやはや。
 江戸時代にそばを食べ始めた頃は、決まった形の猪口は無かったが、次第に今の形に落ち着いてきたようです。今では逆にそば猪口でお酒を飲んだり、お茶を飲むのも風流と見る向きもある。
 セイロを頂くとき、猪口を左手で持ち、背筋を伸ばして口の高さに持ち上げてそばをすすりこむのが正しい食べ方で、テーブルに猪口を置いたまま口を近づけて食べるのは「犬食い」と言われ無作法とされている。


十一月の話 『駅そば』
 駅の構内、駅の売店、駅前で商う屋台式のそば。
元祖は北海道函館本線の長万部駅または森駅と言われている。本来の姿は旅の雰囲気を味わせ、旅情を慰めることにある。
 駅そば営業は「JR」の鉄道管理局の認可を得て、鉄道弘済会の支配下におかれ、値段にも制限がつけられる。売店の設計については、当局の注意により、例えば「のれん」は赤、青などの信号色を用いないなど、細かい規定がある。又,、上り線と下り線とでは、異なった店が出るのが通例である。
 列車待ち時間の短い今日では、乗車駅、乗換駅、到着駅でしか食べられない。駄そばではあるけれど、妙にしみじみと懐かしい記憶があります。
 皆さんの記憶に残る駅そばは、どこの駅そばですか?


十月の話 『一茶とそば』
 俳句で有名なものに「信濃では月と仏とおらが蕎麦」と言うのがあります。
一茶の句だ、いやそうではないと言う説もあり真偽は明らかではありません。しかし、そば屋には格好の句であり宣伝文句ですので、あちこちで見かける俳句です。はっきりと一茶の句と言えるものに次の句があります。
 「そば時や月の信濃の善光寺」 いいですね。皆さんもひとつ風流に一句物にされたらいかがですか?秋の夜長はこれからです。


『生蕎麦』と『生蕎麦』の違い?
 まず、「生蕎麦」きそばと読む。
古そうな蕎麦屋の看板でよく見かけます。江戸時代、そば切りの初めは100%そば粉で打っていた。その後小麦粉をつなぎに使うようになって二八とか要するに「混ぜ物」が入ったそばが出回るようになった。こうゆう店と区別するために「生蕎麦」当店は100%そばを打っていますよ「駄蕎麦」じゃないですよ、と看板を掲げた訳です。ところが、今では機械打ちだろうが何だろうが「生蕎麦」の看板をあげているお店が多いですね。

 次、「生蕎麦」なまそばと読む。
 これは湯がく前のそばのことを言います。そば屋では打ったそばを木の箱に入れて保存します。この箱の事を「生舟」通称「なま」と呼びます。当然ゆがいたら「茹でそば」ですよね。(笑)

 「生蕎麦」一つの言葉に二つの意味がありました。


『そば屋のカレー』
 大正時代初期に始まったメニューらしい。
 カレーは、子供からお年寄りまで、皆さんに愛されている「国民食」と言ってもいいようですね。種類も、とろみの強い黄色っぽいのから、黒っぽいサラサラ系まで、店によって色々あります。そば屋のカレーが美味いのは、ルーをそばつゆで延ばすところにポイントがあります。是非一度お試し下さい。
 ちなみに、インドやタイなどの暑い地方では、辛さ等の刺激がないと食が進まないと聞いています。今年も異常な暑さが続いています。
   夏バテ解消に「カレーそば」をどうぞ。


『そばのスプラウト』
 先月からそばの栽培をしてもらっています。
お客様で畑仕事が趣味の、若くて可愛い女性に頼んで、秋の本番前の小手調べをしています。沢山そばの実を蒔いたので、貝割れを持って来て下さいました。有る間はセイロの上に一本乗せて出しました。
大根の貝割れ、そばの貝割れ状の物を「スプラウト」と言うようですね。(知らなかった〜)若芽になった状態の物と言う意味だそうです。
 栄養状態はそばの実より何倍も高いそうです。早速「そばの葉更科」打って食べてもらいました。次回手に入ったら「おしたし」でも作ってみます。皆さんも育ててみませんか?簡単ですよ。


『自分だけの手打ちそば』
 五月から「そば打ち教室」を開いている。来られた方は、当店のそばを食べた事がある人が多い。打った後で一人前をセイロで食べて頂く。すると、自分が打ったそばを食べると、皆の口から出る言葉が一様に「美味い」である。長い短い、太い,細い。初めて打つそばですから、綺麗に打てないのは当然なのだが、自分が打ったそばは特別な味がするようです。当然ながら世界に一つしかない「そば」であるから、誰が何と言おうとも「美味い」に決まっている。ちなみに当教室では、そば粉八割、小麦粉二割で打って頂いています。さて、次回はどんな方が、どんな感想を持たれるか、楽しみです。


『薬味について』
 薬味とは「広辞苑」によると「食物に添えて、風味を増し、食欲をそそる香辛料。」とある。また、からみ、やくみも味のうちと昔から言われているように、食物の風味を増し、より美味しく食べるための薬味が色々工夫されてきた。
 そこで、そばの薬味にはどんな物があるんでしょうか。
 ねぎ、のり、わさび、大根、唐辛子、山椒、ケシ、ゴマ、木の芽、ゆず、味噌、ショウガ、紫蘇、からし、等等色々ありますよ。自分の好みに合わせて、薬味探しもまた楽しいでしょうね。当店の基本は「本わさびと白ねぎ」これが一番かな?皆さんも探してみて下さい。


『そば屋の天ぷら』
 「そば屋の天ぷら、谷中の質屋」と言う言葉がある。
 東京の谷中には、お寺さんがたくさんあって、そこにある質屋には質草として「ころも」ばっかりだった。そこから、そば屋の天ぷらはコロモばっかりで中身が小さいことを言ったようだ。天ぷら専門店と違って、蕎麦屋の天ぷらは確かに少し厚めのコロモを付けるようだ。これは、そばつゆにどっぷりつかる事を考えて作っているようです。天ぷらの衣がつゆを吸って、また、油分がつゆとあいまってなんとも言えない風味をかもし出してきます。しかし、エビ天を注文しても、エビはどこに有るんだ?えっ?っと言うような天ぷらも実在します。
何はともあれ、夫々のお店で色々な天ぷらに出会うのも、楽しみの一つと考えれば面白いですよ。


『お雛そば』
 江戸時代から伝わる風習の一つ。
 三月三日のひな祭り。この日、皆でお雛様を祝い、清めにおそばを食べ名残をおしんで、また、来年会えるのを楽しみに、お箱にしまったそうです。なぜか、そばを食べて心と、身体を「清める」と言う風習が多いのですが、そばにはその力があるのかね?昨年は「お雛そば」を出したのですが、今年は定休日なので出来ません。ごめんなさい。


 『節分そば』
 二十四節季の一つ「節分」とは。「立春」「立夏」「立秋」「立冬」すべて節分だが、一般的には「立春」の前日を指す。この日、清めのそばを食べて、晴々しく立春を迎えることになる。昔の人々は、このような習慣をもち、季節の移り変わりを厳粛に迎えて楽しんでいたのでしょうね。ちなみに「二十四節季」とは、陰暦で一年を二十四に等分して、それに合わせて色々な行事を行っていたようですね。「啓蟄」も「土用」などもそうです。


『正月そば』
 清めの食べ物として、正月元旦、二日、十五日、晦日に、そばを打つ地方が甲信越、東北の一部に残っているそうだ。
 そばは清い食べ物として、祝儀に用いられることが、多くある。
 寒い時でも、「セイロ」が喜ばれ、東北には「そばは温まるまで食え」と言う言葉があるそうだ。たらふく食べて、コタツに当たって横になれば、それこそ天下泰平、温まって眠くなるという寸法だ。
 関東以北では、そばを食べる機会が多く、色々な風習があって、なかなか楽しそうだけど、関西では、あまり無いことばかりです。「そば屋」としては、これからは、色々提案していきたいなと思っています。勉強します。


『生粉そば』(きこそば)
 江戸の中期頃までは、そば切りと言えば「生粉打ち」を指していた。その後、そばに「小麦粉」を、二割混ぜて打つようになった。食べやすい食感、打ちやすいつながり、まったく黄金率である。そのあとは、現代に至るまで、生粉、外一、外二、二八、三七、四六、五五、、、、逆二八、まで様々である。
 日本農林規格(JAS規格)では、そば粉が三割入れば「そば」と言って良いことになっている。ちなみに、手打ちの定義は、捏ねるのは機械でも良し、延ばしと、切りを手作業ですれば「手打ち蕎麦」と言って良いことになっていますが、本格的な手打ち蕎麦屋では、一捏ね、二鉢、三包丁と言って、こねの段階を一番大事にしています。
 「生粉そば」とは、100%そば粉だけで打ちます。そもそも繋がる力が弱い素材ですから、細心の注意を払いながら打っていきます。麺体に少しでもきずがあると、必ずそこが切れてしまいます。又、粉の質が悪くなると、どんなに丁寧に打ってもつながりません。当店でも「生粉そば」は沢山打てません。常連さんの中には、一人で五人前食べる猛者など何人かいらっしゃいますが、そんな方がかち合うともうお手上げです。土日には時々切れることがあって、迷惑かけてます。済みません。
 「生粉そば」は「熱いの」と「冷たいの」では、食感がまったく違ってきます。どちらも美味しいので、是非とも食べ比べてみていただきたいです。


『そばの長さ』
 そばは八寸、うどんは一尺。と言う言葉がある。八寸とは約24センチの長さです。そばの太さにも、極太打ち、太打ち、中太打ち、中打ち、細打ち、極細打ちとある。箸に掛ける時にちょうど二つに垂れ下がる具合のいい寸法から割り出されたものだろうか。
 これには、中打ち、細打ち程度のものが釣り合うが、更科粉で打った上品な御前そばなどは、八寸が定まりである。
 例外として、俗に「どじょうそば」と言って、太く短いそばもあります。
ちなみに、一口ですすりこむ量は、うどん三本、そば六本と言われています。
 さて、あなたのお好みはどんな「そば」でしょう。


『そば切り』
 最近、近辺にそば打ち師が増えています。そばの麺を作ることを、「そば切り」と言いますが、「そば切り」の語源は?
 特に「切り」の語を用いるのは、そば焼餅、そばがき等と区別するために、延ばして包丁で切る意味で、そば切りと言ったようである。
 また、そばを打つと言う言葉があるが、この「打つ」には「つくる」「叩く」という意味で、麺棒を打ち付けるようにする動作から出たものと思われる。
 「うどん」も切って作るが、その物の発端が異なるために、「うどん切り」とは言わないのである。しかし、初期の頃「きりむぎ」という語が使われたことがある。


『新蕎麦』
 秋新と呼ばれる。川柳に「新そばに小判をくずすひとさかり」とある。
 深み行く秋の気配と共に、新蕎麦と聞いては、腹の虫が納まらず、長屋住まいでめったに拝めぬ、とっときの小判(1両金)いよいよこれをくずす段取りだが、身辺は皆貧的ばかり、そこで両替屋に飛んでゆく。
 新しい物好きの「江戸っ子」にとって、「初鰹」とともに、「新蕎麦」は、それこそ女房を、質に入れても、といった気分で、待ち構えていたのだろう。
 地域によって、時期がずれるが、早い所では、九月の初旬から。遅いところで、十一月の中旬くらいがその時期です。皆さん、あちこちで「新蕎麦」を楽しんで下さいね。ちなみに、とうてつ庵では、九月の中旬から「新蕎麦」です。


『左利き』
 蕎麦屋は蕎麦を売るのが本職で、酒は付け足しである。しかし、そば好きが、そばと酒とはよく合うので、軽く一杯ということはある。酒ばかり飲んで酔っ払うのは困るし、蕎麦屋は小料理屋ともちがう。酒飲みのことを、俗に「左利」(ひだりきき)と言うが、これは大工がノミ(鑿)を左手に持つので、ノミ手に通わせた、一種のしゃれである。酒を左に置くということは、中国の古書に「左酒右醤」という祭壇儀礼の語がある。こんなことも、左利きにつながってしまったのだろうか。いずれにしても、そばが出てくるまで、軽く一杯ひっかけて、セイロを一枚、二枚たぐり、へい、「ご馳走さん」と、お尻を上げるなんて、粋なもんではないでしょうか。蕎麦屋の側としても、こんなお客さんには、酒が済むまで待ちたくなって、そばを出す、タイミングを見計らいたくなるもんです。


「セイロ」
「蒸篭」(せいろう)。俗にセイロと呼ぶ。そば販売の初期の頃、菓子屋が蒸しそばを扱っていた頃の名残を留めるものと、思われる。言葉どうりに、そばを「蒸篭」でむして出していたわけで、その後、湯がいて食べるようになった。後に、お皿に盛り付けて出すようになり、「もり」と言うようになり、後年、「ざるそば」とも称されるようになり、今では、呼び方に区別は無くなったようです。ちなみに、当店ではうどんと区別するために、そばは「セイロ」、うどんは「ザル」と言っています。本来のザルそばとは、そばの上に、刻みのりを乗せ、つゆも、ざる汁と言う少し甘めのものを付けて出していたようです。今では、もりとの違いは、上に乗せる刻みのりが有るかどうかの違いだけのようです。


「引越しそば」
江戸中期頃からの習わしで、転居先に荷物を運び入れたところで,家主,向こう三軒両隣に、新しく引っ越してきた挨拶としてそばを配るようになった。そばを配る習慣が定着する以前には習俗として広く行われていたかどうかは不明だが、小豆粥を重箱に入れて配ったり、あるいは小豆をそのまま配ったり煎り豆を用いたりもしたようだ。引越しそばは、隣近所には二つ、大家さんには五つとゆうのが決まりだった。そば(近く)に越してきたことに引っ掛けて、「おそばに末永く」あるいは「細く長くお付き合いをよろしく」といったのは江戸っ子の洒落で、そばが一番手軽で安上がりだったことが本当の理由だろう。江戸中期にはそれだけ、そばが江戸市民の生活に浸透していたということだろう。


『インターネットのそば』
 先日、そばで検索すると、出るわ出るわ一杯出たよ。中華そばから、あなたのそばまで、何でも出るんですね。それに、手打ちとか、検索項目を入れていくと、どんどん少なくなって今度は項目に一致するものはありませんと出ました。色々見たけど、手打ちの本格的なそば屋で、『ホームページ』を開いている店は少ないみたいですね。でも中には、これは面白そうだ、と感じさせるお店があります。機会をみて行って見たいな。


4月のそばの『イワシ』の知識
 高カロリー,低タンパク食のイワシですが、ビタミンも豊富で、ビタミンDは群を抜いています。血合いには鉄分を補給する呼吸色素ミオグロビンも。青魚にはEPTやDHAといった物質が含まれ、コレステロールの増加を抑制することが分かっています。七回洗えば鯛の味と言われている『小イワシ』が、4月のそばの種物です。


3月のそばの「鯛」について、ひとこと。
 日本を代表するお魚さんは「鯛」、鳥さんは「鶴」。これを決めたのは、江戸幕府だったのですが、皆さんご存知でしたか?。それまでは「鯉」と「雉」だったのです。いやー、知らなかった。そう言えば、昔話には色々登場してますよね。今では、「鶴」は食べられませんが、「鯛」は大丈夫です。鯛の旬は三月、四月です。一年中美味しいお魚さんですが、桜鯛と呼ばれる、産卵前のこの時期が一番です。刺し身良し、焼き物OK、煮付けうまい、蒸し物いけます。どんな食べ方でも、美味いのは、さすがに「魚の王様」です。今月は、この「鯛」を「鯛茶漬」風に、お刺身を、熱い掛けそばに乗せてみました。熱いつゆをかけると、切り身がちりちりと、はぜそうになって、つゆにも鯛の風味が移り、なかなか、おいしい物に、なりました。毎日限定で出しています。切れた時には御免なさい。おつまみに「鯛の天ぷら」もあるよ。ではでは。


「そばは世界各地で作られている」
 多くの方が、「そば」は日本独特の食べ物と思われているが、実は世界各地で生産されている。
隣の中国を始め、「ロシア」「ドイツ」「フランス」『アメリカ」「カナダ」アフリカ諸国」きりが無い。中でも、麺状にして食べるのは、「中国、韓国、ブータン」位しかない。その他では、「パン、クレープ、団子、かゆ、シチューetc」と言ったぐあいだ。日本には、韓国を経由して入って来たのだが、「五穀」にも入らない雑穀としている。生産量も米や、小麦粉、豆類などに比べ少ない。しかし、他の穀物に比べ、生でも人間の腸で消化できる。米も小麦も豆も、熱を加えないと消化できない。昔の修験僧や猟師が山に入る時、そば粉を持参して、谷川の清水で団子をこねて食べたと言う。そんな「そば」を細い麺状にして、すすって食べる「そば文化」といえる物に仕立て上げたのは、日本だけである。そばも、各地で特色があり、食べる作法にもうるさい。日本各地のいろんなそばを食べ歩き、楽しみたいものですね。ちなみに、現在国内で消費されているそばの、約二割が国産で、残りは輸入品です。さて、あなたが食べているそばは、どこの物でしょう?。(03/03/04)


「更科(さらしな)そば」とは?
 先日、更科そばとは、「蕎麦屋の店の名前ではないか?」と言ってるお客様がおられました。ここで、一言説明を。江戸時代、信州のそばの集積地の一つに「更級」という場所が有りました。この地方出身の「布屋八代目清右衛門」が、江戸で言葉どうり「布屋を」営んでいたのですが、主家の「保科の殿様」から進められて麻布永坂に蕎麦屋を開業。店名も「信州蕎麦所布屋太兵衛」として始まり、今の「永坂更科」として継続している老舗です。。何々更科という蕎麦屋さんは、この店の暖簾分けということですね。だけど、これとは全く関係なく更科という、いかにも蕎麦屋らしい響きに引かれて、名前を付けている店が多いみたいです。このそば粉は、「更科粉」と言い、そばの実の中心から取る白いそば粉で、特殊な方法でないと全く繋がらず、打つのが大変な為、出しているお店が少なくて、知ってる人は少ないようです。「更科蕎麦」を常時出している店では更科系か一茶庵系の蕎麦屋が有名です。ちなみに、更科に抹茶を練り込んで打ったのが本当の「茶蕎麦」です。ちゃんちゃん。


辛味大根とは一体どんな大根なのだ?
 一般には信州地方で栽培されている、「ネズミ大根」が知られているが、別名「雪美人」とも呼ばれ、辛さも程々で甘味も強く、普通に好まれている種類です。僕が店で出しているのは「辛丸」と言う種類で、独特の甘味があるけど、驚くほど辛味が強く、そばの薬味にはピッタリだと思います。形はかぶと同じようで、見た目には違いが分からないほどです。辛味大根が大根の原種だそうで、甘いのを好む現代人の為品種改良が進み、今ではほとんどが「青首大根」などになったそうです。呉地方では気候の関係か、栽培してないので、ある人に頼み込んで植えてもらっています。それにしても、今年の「辛味大根」は辛かったです。在庫が無くなれば今年は終わりです。


そばを食べる時の音について。
 外国では、音を立てて食事をするのは最低のマナー違反とされている。日本では、味噌汁を飲む時でも「ズズズ」と音を立て、ましてや「そば」「うどん」ではつるつる、ずるずるが当たり前なのだが、僕が店で観察していると、女性も男性もほとんど音を立てずに食べてます。一体これはどうした事なのか?洋食のマナーがここまで入り込んで来たのか?これでは、そばが美味しく食べられないと思っています。昔から「うどん3本」「そば6本」と言い、すすりこむのにちょうど良い量を言ったものなのです。とうてつ庵では、「昼酒」OK、「ズルズル」OK、盛大に音を立てて、美味しくそばを食べていただきたいです。音も味覚のうちですよね?そばをすする音とかが、外人さんには「御奈羅」の」音に聞こえるらしいですよ。そうなのかねー?。


2月のそばの、「新ごぼう」について。
 10世紀以前に中国から薬草として日本に渡来したといわれ、世界でも「台湾」と「日本」でだけ
食べられている野菜です。近年、ごぼうの持つ豊富な食物繊維が、便秘解消やコレステロール値の低下に効果抜群として、ヘルシーなダイエット食品の一つに揚げられ、人気があります。また、ごぼうに含まれる炭水化物の多くは、腎臓機能を高める「イヌリン」です。新物の時期は、香りが高く、軟らかくて栄養価も高いそうです。どんどん食べましょう。


江戸っ子の洒落
 寛政十年五月、鯨が江戸湾に迷い込んだのを、漁夫達が捕らえてしまった。その三日後に吹上御殿で将軍上覧。その後九日間、品川で一般に観覧させた。このニュースはたちまち江戸っ子にかかって、「そばと鯨」の笑い話を作り出した。江戸湾に迷い込んだ魚の王様みたいなものを見た子魚共は、何かご馳走してサービスしようと言うことになった。海のものは食べ飽きていようから、江戸はそばだと衆議一決、鯨に伺いを立てると、それは結構、だが、モリはごめんだよと言ったという。モリは銛で、鯨にとっては大の苦手である。しかし、そばの妙味は、「もりそば」にあることは言うまでもない。ちなみに、「もりそば」「セイロそば」「ざるそば」共に、同じつけそばです。


蕎麦通の食べ方?
 そばの食べ方も、江戸っ子は、そばは噛まずにすする、というが、噛まずに食べて、はたして旨いものかどうか。歌舞伎俳優の六世、尾上菊五郎が父親の五世に連れられて、子供のころ、麻生のそば屋へ入った時の話であるが、菊五郎が食べ終わって「楊枝を下さい」と言うと、そば屋のおかみさんが「そば屋は楊枝を置きません。そばは噛まずにすすりこむもの、噛むから歯にはさまるのです。」と答えたという。落語家の、故柳家小さん師匠のそばの食べ方は、見事である。ツルッという音とともに、箸ではさんだ何本かが、口の中に消える。ツルッ、ツルッ、ツルッと同じペースでそれが続く。すすり込まれたそばは、脱兎のごとく、のどをおどり越えて、次々に食堂を下って行くらしい。その後で、アナウンサーが「あの食べ方がやはり一番おいしいのですか?」と尋ねると、小さん師匠、ニヤリと笑って師匠独特のやや間伸びした云い方で、「そりゃぁ、あんた、本当は噛んだほうがうめえですよ」と答えた。細打ちの生粉喬麦やニハ蕎麦は、噛み過ぎないで喉越しを楽しみ、太打ちの田舎蕎麦等は、噛み味を楽しめば、より美味しく頂けると思います。粉の種類や割合で、蕎麦の風味が変わるので、それぞれ楽しめます。


本ワサビはどう使う?
 わさびを、つゆに溶かす人と、つゆの味が変わるから蕎麦の方につける人がいる。薬味の食欲増進効果と、味わいを高める効果を考えると、これは各人各様だと思います。


蕎麦湯の飲み方
 蕎麦の養分の約20%がお湯の中に溶け出すと言われています。これを飲まないのは蕎麦の楽しみが二割減っているようなものです。飲み方は箸箱の横に書いています。ご参考に!


蕎麦の栄養価
 蕎麦の主成分は澱粉だが、良質のタンパク質と食物繊維が多く、澱粉性食品の中では栄養価値は高い方です。食物繊維が多く、便秘気味の人に良いし、カロリーも低いのでダイエットに良い。さらに、ルチン、ポリフェノール等、血圧を下げたり、血管を強くする成分も含まれています。昔ながらの蕎麦なら良いのですが、現在の国の基準では(JAS規格)、そば粉が30%以上含まれていれば、蕎麦と銘うって良いことになっています。メーカーは苦心して安価で保存がきき大量生産のできる蕎麦を消費者にと、小麦粉(うどん粉)が60%以上入った蕎麦もどきを作っています。しかし色も味も食感も異なる為、着色料、保存料、化学調味料を使わざるを得ず、本来の蕎麦とは違うものになっています。保存料や着色料等が人体に悪いことは、随分以前から指摘され続けてきましたが、大量生産されてスーパーなどで売られている物に、使われていない物を探すのが難しい現状です。安全で旨い物を探して食べるのは消費者である私達の責任です。製品には必ず品質表示が付いています。使用してる材料の量の多い順に素材名を記入してます。選別の参考にして見てはいかがでしょう。当店の、蕎麦、つゆには、一切使用していません。安心してお召し上がり下さい。



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